久々の更新となります。前にも似たような感じで包物の記事をあげた事があります。
今回は中の木材が一般の方による作製のため、角々の矩手(直角)がかなりアバウトに出来ています。
こういうモノを包むときに重要なことは寸法を計測しないということ。計測はできても鉄板に実寸で落としこむ事が大変に難儀になります。では、どのように罫書いていくかというと以下の写真。
実寸を直接鉄板に落とし込みます。こうすることで矩手の狂っているものでも短時間で包むことができます。
実寸を落とし込んだ後には、シャーにて切断します。我が工作所のシャーはギャップシャーですので実際の刃長よりも長いものを切ることができます。
外周部を人が触っても安全なようにヘミング曲げ(アザ折 アダ折)します。昔ながらのレールと拍子木による手曲げです。上の写真を説明すると、最初に 「 のようにレールの角を使い曲げています。
曲げる為の機械(ヒンジバッタ、名古屋バッタ)も所有しているのですが、加工する数量が少ないので
機械を調整する事を考えると手で曲げたほうが早いです。
「 のような形状に曲げた鉄板をさらに曲げるために刀刃と拍子木を使い加工します。
因みに拍子木の打撃に用いる部分は常に平面を保つように鉋をかけて調整しています。使い込めば使い込むほど細っていきますので消耗品です
最終的には、上記写真のようにベッタンとつぶしてしまいますが、鉄の特性として叩くと伸びるというのがありますので力いっぱい叩き潰すとと取り返しがつかないことになります。
エキセンプレスにて箱折していきます。ここらへんは以前にのせた記事とほぼ同じです。
で、木材下地を包むように釘で固定して出来上がりです。
職人が作ったものと素人が作ったものの一番の違いは矩手が正確か否かということに集約されるのではないでしょうか?矩手が正確であれば 後の仕事も早く行えるからです。
ここで、閑話となりますが ホームセンターのコンパネなどのパネル材が時々 信じられないような安い価格で販売されていたりしますが 実は矩手が狂っていて他枚数を敷き詰めるような工事をするときには使い物にならなかったりすることがあります。
因みに、今回の仕事で包んだものは、自分でお作りになられた石炭箱の蓋だそうです。
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