2011年3月2日

金槌が使えるようになるまで。

今回は『つち』のお話。画像のように金槌を頭の部分だけで買うということは、普通アリエナイことだと思います。職工の世界になると、頭だけで買うのが当たり前でして、場合によっては鎚の部分を無垢材(S45C)に熱を加えて仕事に合わせて作ることもよくあることです。
今回はヤフオクで落札した頭部分に柄の取り付けてみたいと思います。
まず、頭の部分の説明。この鎚は『均し鎚』と言って最後の仕上げに用いる事が多いものです。左下の画像のように鏡面仕上る必要があります。(仕上げ方については職業的なノウハウが詰まっているので省略) 鏡面に仕上げた鎚で金属板を仕上げる際に表面に凸凹が生じ難く製品の仕上がりもツルツルの鏡面に近いものになります。この『均し鎚』は仕上げ専用ですので、間違ってもこれで釘を打ったりしてはいけませんカガミの部分に傷がついてしまったら、また鏡面をつくり直すことが必要になるからです。(逆にカガミをわざと荒らして、模様をつける事もあります)

柄が入る穴の大きさに合わせて柄の小口の部分に写真のような印しをいれます。柄は古い木槌からの転用です。(割れているのはその為です)
柄を万力に挟んで、木工用の砥石をつけたサンダーで成型していきます。時間があれば木工用の鑢を使って手仕事でやるほうが削り過ぎることもなくて良い具合です。
柄の小口が鎚の穴とあうか合わせながら削り、仕上げていきます。やはり、手仕事で仕上げていくほうが綺麗だと私は思います。
仕上げた柄は直ぐに鎚に嵌めこんではいけません。20-30分水につけておいて表面を柔らかくしてからのほうが綺麗に入ります。
柄と頭が90度になるように気をつけて柄を叩き込みます。頭から飛び出た部分はのこぎりで切り落とし、途中で太くなっている部分を鑢等で成型していきます。
画像のように仕上がりました。あとは実際に鎚を振ったり叩いてみたりして柄の長さを自分に合わせて切り詰めて完成です。
よく楔を頭に打ち込む人もいるのですが、私は仕事に合わせて柄をちょくちょく取り替えるので水で湿らせてガッチリと食い込ませるようにしています。



おまけの写真
今日は久々にコークスを焚いて鍛冶屋の真似事をし道具を作りました。

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