2011年2月13日

雪止め②

少し間が開いてしまいましたが、前回の続き『雪止めって、どうしてつけるの』というお話を宣伝も兼ねて。新築時には隣地との距離により建築基準法によって設置しなければならないのですが、そういう縛りのない状況に於いて雪止めをつける理由は次のようなものではないでしょうか?
  1. 危険回避
  2. 隣人関係
まず2の隣人関係から、家を建てて暮らすということは地域に生きるという事でもありますから隣人と仲良くしていく努力が必要ではないかと思うわけです。たとえば、自分の家の屋根の落雪が隣地に飛び込み、何かを壊したとかいう事になってからでは遅いわけでして、事前に設置しておくことは安寧な生活を買うことにも通じる事です。雪止めの設置の依頼で多いのは断然2番の隣人関係なのですが、
命にかかわる危険回避というのは少なからずあります。例えば

  • 家が歩道に面しており通行人に怪我をさせそうになった・・・・という家
  • 自分が除雪をしていて屋根からの落雪で自分が埋まりそうなったという人
  • 落雪が怖いので、屋根の雪下ろしをしていて自分も落ちそうになったという人
  • 屋根からの落雪で駐車中の車を凹ました(財産の危険回避)
等々。こうして、設置する理由、設置していなかった為に遭遇した危険を考えてみると、
当初の屋根のためには設置すべきではないという考えも屋根だけを考えるわけにはいかず、どうしても設置しなければならない理由はあるということになります。
悪戯に迷わせる事を書いてしまいました。解決方法とまでは言いませんが限りなく近い。
ベストとまでは言いませんがベターな方法を考えて新タイプの雪止めを作ってみました。
下の写真をご覧下さい。クリックして大きな写真をみて頂くと分かりやすいと思います。
雪止め状況の比較
昨年の秋口に、効果を比較するためにお願いして一つの屋根に旧タイプの雪止め、新タイプの雪止め、雪止めを設置無しという状況で、私がいつもお世話になっているクリーニング屋さん強引に実験させて頂きました。前回のスガ漏れを起こす条件にぴったりすぎて観察するのに好都合だったのです。(ごめんよ、人柱になってもらって・・・)

雪止めアップ
新タイプの雪止め軒先部分にはツララは出来ていますが、危険な氷塊という程の塊はできていません。
前回説明したダムのような状況にはなっていない為、スガ漏れの心配も無い!と言い切れる自信はまだ有りませんが、今までの雪止めよりは設置していても安心できます。
※今も侃々諤々試行錯誤して改良しております。

下から撮影
下から見てもらえるともっと分かりやすいですね。前回の写真(工作所の雪止め状況)と似ていて
雪止め(今までのタイプ)があっても軒先より氷塊が飛び出してきています。それに比べ新タイプはツララ程度・・・・一目瞭然ですね。
旧タイプでも設置していないよりは、危険回避は出来ていますし、勢い余って隣の土地まで落ちていくという事もなさそう・・・・・。ただ屋根には良くない!
二つの相反するジレンマに対応し、新タイプ雪止めがお客様のお悩みを解決する手助けになれば!と考えております。



◎おまけ
面白い記事がありましたので勝手に転載。

屋根に積もった雪を落とす雪下ろし装置=福原教授提供
  ttp://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110212-OYT1T00828.htm

大雪の際、屋根に積もった雪を落とす装置を福井大工学研究科の福原輝幸教授と同科博士課程の寺崎寛章さんが開発した。「危険を軽減したい」として、できるだけ早期の実用化を目指している。 屋根に取り付ける巻き取り式のステンレス板(厚さ約5ミリ)を連ねた装置。屋根最上部に設置した巻き取り部分に収納している板を、リモコンで屋根に沿って軒先まで伸ばし、先端に組み込んだ電熱線の熱で雪を落とす仕組みで、50センチの積雪まで対応できる。除雪時間は、傾斜15度で斜面の長さが3メートルの一般的な民家なら約1時間。
(2011年2月13日03時07分  読売新聞)






実物を見てみないとなんとも言えませんが、雪下ろしの為に人が上がるという事がいらなくなるならば大変に素晴らしい装置だと思います。



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